全校生徒の皆さん、おはようございます。
ここのところ、新型コロナウイルスの急激な感染拡大が進み、不安を抱えての夏休み突入となります。夏季補習や部活動で登校する皆さんには、発熱やのどの痛みなど風邪症状があったら、絶対に学校に来ない、部活動に参加しないというルールを守ってください。家族に同様の症状があった場合も同じです。毎回お願いしていることですが、密状態を避け、マスクを外しての会話、特に会話しながらの食事はしないなど、基本的な感染症対策を確実に行うことが大切です。毎日の検温、健康観察をよろしくお願いします。
このような中ですが、19日、20日は3年ぶりに川瀬まつりが行われ、秩父の夏の風物詩が戻ってきました。経済活動を止めずにコロナを前提に生活する、まさにウィズ・コロナの実践の場だったと言えます。
今回、今まで認めていなかったお祭り関係での公欠を一部認めました。伝統文化の担い手としてお祭りに欠かせない人材であるとして、町会から学校に派遣依頼の文書が来ていたものです。伝統文化を支える活動は立派な体験活動であり、地域貢献を果たすものであるとして、特別に認めることにしました。
川瀬まつりは秩父で一番大きな祇園祭です。この時期、全国の至る所で「祇園さま」とか「天王さま」と呼ばれるお祭りが行われますが、このことについて少しお話ししましょう。
これらの祭りのルーツは京都の祇園祭です。これは9世紀半ばに、京の都をはじめ全国で疫病が流行ったときに、天皇の命によって疫病を鎮める神事が行われたのが始まりとされています。
では、「祇園」とは何でしょう。平家物語の出だしは、「祇園精舎の鐘の声・・・」。祇園精舎とは釈迦が説法を行ったインドの寺院の一つで、その守護神が「牛頭天王(ごずてんのう)」、別名「祇園天神」という疫病を司る神様です。祇園祭が行われる京都の八坂神社は、この牛頭天王が日本神話の「荒ぶる神」スサノオノミコトと同一神として祀られています。この神様を信仰して災厄や疫病を退散させようという「祇園信仰」が全国各地に広まったわけです。
この信仰は実に1150年も続いているわけで、日本人の平安を祈る気持ちの深さや、文化を守り継承しようとする誠実さを感じます。祭りに参加する私たちもこの伝統の継承者ですから、秩父高校生にはその由来についての知識を持っていてもらいたく、お話ししました。
さて、1学期は皆さんに大きな発表を2つ行いました。一つは、来年度から土曜授業は行わないということです。自分が自分自身を高めたり進路実現に向けて準備をするために、主体的に土曜日を活用してください、という趣旨をお話ししました。これは、明日からの夏休みを過ごす上での考え方と共通しています。まずは高い志に基づいた計画を立て、勉強に部活動その他の活動に主体的に取り組んでください。夏休みを終えたときに、必ず自分自身の成長を実感できるはずです。
二つ目は、先週お話しした皆野高校との統合についてです。新校の開校は令和8年4月ですから、皆さんには直接影響はありません。しかしながら母校となる秩父高校の将来は気になるところだと思います。夏休み中に県教育委員会から先生方と保護者や学校関係者に説明がありますので、その内容は生徒の皆さんにもお伝えします。皆さんには、伝統ある秩父高校の歴史の継承者として、人間的な成長を果たせるようしっかりと励んでいただきたい。そのために先生方は一丸となって教育活動の充実に励んでいきます。ぜひ、この機会に皆さん一人一人が自己の意識の確認をしていただきたいと思います。それが、夏休みの過ごし方にプラスに反映されることを期待します。
話は変わりますが、芸術鑑賞会でバレエのすばらしさを鑑賞した日、衝撃的な事件が起こりました。安倍元首相が凶弾に倒れ死亡という、今の日本では考えられないような事件です。この事件、皆さんの中にも相当の動揺を覚えた人がいたと思います。私の大学生の子も「勉強が手につかない」とLINEを送ってきました。事件の背景は次第にわかってきていますが、歴代最長の内閣総理大臣を務めた国家の重鎮を、このような形で失うとは、残念というより憤りを強く感じるのは私だけではないでしょう。改めて、暴力によって一方的に現状を変えようとする行為には断じて許してはいけない。命の大切さ人権の尊重は絶対に守られなければいけないと強く感じます。
3年生は進路で面接が課せられる人も多いと思いますが、「最近の興味・関心のあるニュースは何ですか」と問われたら、この事件のことを答えようという人もいるでしょう。「驚いた」とか「許せない」だけでは、秩父高校生としては物足りないです。事件における問題点や今後の社会の在り方、自分の生き方への影響などを語れる受験生を目指したいものです。秩父高校生は社会性があり、自分の考えをしっかり持っていると高く評価してもらえれば、進路実現の道が開けるかもしれません。
この事件に限らず、いろいろな社会問題に関心を持ち、それに向き合って自分の考えを持つことは、進路における面接対応ということではなく、18歳成人という社会において、高校生に一層求められるものだと思います。
さあ、明日からの夏休みは、短期間で自分自身を大きく成長させられる絶好の機会です。3年生は進路実現に向けて大きく前進してください。1,2年生は、この夏の過ごし方が皆さんの将来に影響を与えることを自覚して、一日一日を大切に、充実した生活を送ってください。読書や体験的な学びを取り入れてくれることを推奨します。
元気が出ない、心がすぐれない、不安だという人は、いろいろな相談窓口を活用したり、気分転換を図ってみることをお勧めします。
くれぐれもコロナ感染や熱中症には気を付けて、交通事故その他問題が起きないよう心掛けてください。元気な姿で2学期の始業式に再開できることを楽しみにします。