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校長室だより

令和3年度第1学期始業式での校長講話

 今年は桜の開花も早ければ、芝桜もずいぶん咲いて、すっかり春本番となって新年度、新学期を迎えました。春休み中、昨年度一年間を振り返り、足りなかった学習を補ったり、新年度に向けた準備をしてくれた人も多かったでしょう。また、春の大会に向けて部活動に打ち込んだ人も多かったと思います。「一年の計は元旦にあり」とよく言われますが、新2年生、新3年生になった皆さんにとっては、1学期の始まりである今日この時、この先一年の目標と計画をしっかり立ておくことが大切です。

 特に3年生にとっては最後の部活動から、何と言っても進路実現に向けた学力の伸長と学習成績の確保でしょう。志を高く持ち、最後の最後まで諦めずに挑戦し続ける覚悟を持って計画を立ててください。

 2年生は修学旅行があったり部活動では後輩が入ってきたり、3年生引退後は主役に躍り出たりと大いに活動できる一年です。ただし、よく言われる中だるみが起きやすい時期。二年後の進路実現を意識し、他校のライバルが手を抜いているすきに、秩高生はしっかり力を蓄えておこうではありませんか。

 新年度クラス替えになるとよく「前のクラスがよかった」などと言う声を聞くことがあります。クラス替えのない特進クラスなどのように、志を同じくする集団が、引き続き切磋琢磨する意味は大きいです。クラス替えのあった人には、むしろ新しい仲間や新しい環境の中で、自らの成長が期待できるとプラス思考になってもらいたいと思います。

 私が皆さんに期待したいことは二つ。一つ目は、地域から愛され期待される秩高生として、自信と誇りを持ち、礼儀やあいさつ、行いに品位と責任を持ち、より一層地域から愛してもらえる生徒集団になってもらいたいということです。

 二つ目は、高い志を持って、夢の実現、進路実現にひた向きに取り組む生徒集団であってもらいたいということです。

 皆さんはあまり気付かないと思いますが、市内の多くの方にお会いすると、多くの本校卒業生が秩父地域の核となって活躍されていること、それらの方々が皆、生徒の皆さんに大きな期待を持たれていることが分かります。その期待とは、リーダーとなって社会に貢献する人材になってほしいことであったり、進路実績を伸ばしてもらいたいというものです。

 皆さん、学習に関しては、日々の家庭学習時間はしっかり確保されているでしょうか。ただ覚えただけではない、学力としての定着が図られているでしょうか。いまひとつ伸び悩んでいる皆さんに、学びの質が高まるヒントについてお話しします。

 それは、学習の量と質を自分でコントロールする方法を身に付けることです。教育心理学では、学習成果を高める三つの方法として、

①学習に必要な時間や教材、仲間や先生、学習環境などの管理に関わる「リソース管理方略」。

②学習した内容を身に付けるための学習の仕方や工夫などに関わる「認知的方略」。

③学習の進み具合や自分の得意・不得意、意欲の状態などについて客観的に認識し調整に関わる「メタ認知的方略」が挙げられます。

 特に、「メタ認知」については学習効果を上げるだけでなく、よりよい社会生活を送る上でも効果的と言われています。「メタ認知」とは、今まさに何かを考えている自分の思考や、何かに取り組んでいる自分の行動について、一歩引いて、今よりも高い視点から把握する能力「客観的に自己評価する力」のことです。メタ認知能力が高まると自分自身の思考や行動を正しく理解し、問題点についてコントロールすることができるようになります。

 人から「考えを変えなさい」とか、「やるのは今でしょ」などと指摘されなくても、メタ認知能力によって、自分自身で適切な思考と行動に軌道修正ができるということです。自分自身の考えや行動を客観的に冷静な目で見る、ぜひ、心掛けてみてください。
 
 最後に、新型コロナウイルスは変異株による新たな感染拡大が広がりつつあります。引き続き感染防止対策の徹底を心がけて、秩高関係者から感染者を出さないようにしましょう。皆さんにとって飛躍となる1年になってもらうことを期待します。がんばってください。

令和3年度入学式での校長式辞

 例年より早い開花で花が持つか心配だった桜もここ数日の冷え込みで、何とか入学式に花を添えることができました。山々を見渡せば木々が一斉に芽吹いて萌黄色に輝き、生命の躍動を感じる季節になりました。

 この一年、不自由で不安な思いをさせ続けた新型コロナウイルスの感染拡大は第四波の局面に入った模様で、この入学式も感染防止の観点から、新入生の皆さんのみに式場に入ってもらいました。来賓をはじめ保護者の皆様には、お子さまの晴れ姿を式場でご覧いただくことが叶いませんことを大変心苦しく思います。どうかご理解の上、ご容赦願います。

 さて、本日ここに令和3年度埼玉県立秩父高等学校入学式を挙行できますことは、在校生そして教職員一同にとって大きな喜びとするところです。

ただ今、入学を許可いたしました、198名の新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます。皆さんを心から歓迎いたします。また、保護者の皆様にはお子様のご入学を心よりお祝い申し上げます。

 皆さんは今日から秩父高校の生徒として新たな学校生活が始まりましたが、これからの高校3年間をどのように過ごすかが、皆さんの成長と卒業後の人生に大きく影響してきます。高校生活のスタートを切る皆さんには、よりよい人生の道へ進んでいけるよう、次の3つのことを心掛けてもらいたいと思います。

 第一に、歴史と伝統ある秩父高校の生徒になったという自信と誇りそして責任を持って、何事にも主体的で積極的な姿勢で毎日を過ごしてもらいたいということです。

 秩父高校は今年で創立114年目を迎える伝統ある学校です。秩父地域唯一の普通科進学校として、地域の期待に応える教育活動を進めてまいりました。卒業生は2万8千名を超え、地元をはじめ県内、全国で活躍されています。新入生の皆さんも、やがてリーダーとして社会に貢献する人材に成長されることが期待されています。そのことをぜひ、自覚してください。

 秩父高校には勉強はもちろん部活動や学校行事、探究活動など皆さんが輝く場がたくさんあります。ですが、受け身の姿勢でいては、成長は望めません。高校生には自ら考え判断し、責任を持って行動することが求められます。何事にも前向きな姿勢でいることが大切です。 

 第二に、将来の夢や目標、志をしっかり持つこと。そして自己実現に向けて自分を律し、努力し続けること、継続することを実践してもらいたいということです。

 秩父高校には一人一人の進路希望に合わせた特別進学クラス、進学アドバンスクラス、私文選抜クラスといったコース・科目設定ができるほか、進学補習やサマースクール、スタディサプリなど進路実現に向けた充実した指導体制が整えられています。先輩たちはそれを生かし努力して、すばらしい進路実績を収めています。夢の実現への道は平坦ではありませんから、逃げ出したくなることもあるでしょう。しかし、夢や志、信念というものは自分を律し、頑張り続ける原動力になるものです。まだ、将来のことは考えていないという人は、いろいろな情報や皆さん自身の体験を振り返って、自らの夢を描いてみてください。

 東京オリンピック競泳のメダル候補と言われながら白血病で闘病生活を送っていた池江璃花子選手が、先日行われた日本選手権100mバタフライで優勝し、東京オリンピックの代表内定をつかんだというニュースに、私たちは勇気をもらいました。池江選手は「つらくてもしんどくても、努力は必ず報われると感じた。」とインタビューに答えています。皆さんもこの言葉を信じ、夢を追って努力し続けてください。 

 第三に、教養を備えた心豊かな人間になろうと常に意識して生活してもらいたいということです。

 社会を大きく変えた新型コロナウイルスとの戦いは現在も進行中です。世界的な気候変動、世界の人口爆発、日本では深刻な少子化、自然災害など、未来は平坦ではありません。そのような社会を生きる皆さんには、物事を創造したり判断したりする力、そのベースとなる知識や技能、協力して問題解決にあたるチームワーク力が欠かせません。それらを統合する知識や思考、行いのことを私は、教養と考えます。また、人間社会がうまくやっていく上で人間性は最も重要なものです。思いやりや感謝の気持ち、礼節、コミュニケーション力、人権感覚に倫理観、主権者・消費者としての意識。成年年齢が十八歳に引き下げられるのは、来年4月からです。人間としての厚みを増すことが皆さんの人生を豊かにしてくれるのです。

 二度とない高校時代。皆さんには無限の可能性があります。思う存分、勉学そして部活動などに取り組んで、3年間で人間として大きく成長し、それぞれの夢の実現に近づいてもらうことを切に願います。 

 最後に、保護者の皆さまにおかれましては、本校の進める「地域の期待に応える活力ある進学校づくり」にご理解をいただき、学校を信頼し連携を密にしていただいて、お子様の確かな成長と進路実現にご協力を賜りますようお願い申し上げ、式辞といたします。 

 令和3年4月8日

       埼玉県立秩父高等学校長 町田 邦弘